タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2015/10/06

心の性質を知る~悩み事や心配事は自分で作り出している妄想~


心の性質・・・これを知るだけでも、十分に有意義であると私は思う。

仏教では、心というものを非常に細かく細かく分析をしている。

どうしてかといえば、「心」というものはいかなるものなのかを正しく知ったうえで、「心」といかに向き合っていくのかが問題となるからだ。

それによって、具体的に私はどう行動すればよいのかということが明らかとなってくるからである。


心がどういった性質を持っているものなのだろうか?

そして、どういった傾向があるものなのだろうか?


それがわかれば、その対応方法や次にどう動くべきなのかが明らかとなる。

いわゆる“傾向と対策”だ。


人間の「心」というものは、放っておくと「散乱する」というのが基本的な性質である。

そのまま放置しておくと、「妄想」でいっぱいになり、さらに「想像」し、「連想」し、どんどんと膨らんで大きくなっていく。

これが基本的な心の性質であると言える。

まずは、ここをしっかりとわかっておかなければならない。


「悩み事」や「心配事」と呼ばれるものの多くは、実は、自己の「妄想」や「連想」から生じてきたものである。

自己の勝手なものの見方や思い込みがそのようにさせているということは実に多い。

平たく表現をすると、自分を苦しめているのは自分自身の勝手な想像・・・“イマジネーション”と、いわゆる“連想ゲーム”でしかないということだ。

このように「心」というものを冷静に観察をしてみると、私達の日常生活のほとんどが妄想にかられていると言っても過言ではないということがわかる。



小さな「妄想」は、「連想ゲーム」によって次から次へと流され、思わぬ方向へと膨らんでいくのである。

その思わぬ方向の多くは悪しき方向だ。

日々、そうして生活しているのが私達なのである。

瞑想を経験されたことのある方であれば、これらのことがらは、容易に実感として理解ができることかと思う。


放っておくと“散乱する”心・・・一体どのようにしてつき合っていけばよいのだろう?

軒並みな方法ではあるが、まずは深呼吸をして、少しだけ落ち着いてみることをおすすめしたい。

そして、少しだけ、今、自分が何をしているのか~感じていたり、思っていたりすること~に注意を向けてみることをおすすめしたい。


「気づき」である。


次に、「事実」と「妄想」を意識して、区別をしてみることをおすすめしたい。

何が実際に感じたことで、何が実際に思ったことなのか。

そして、何がそれらをきっかけとして、勝手に連想し、想像し、膨らませてしまった「妄想」なのかに注意を向けてみたい。

これは、なかなか簡単な作業ではないかもしれないが、事実は事実として認識することで、より大きな妄想へと発展しづらくなるし、より巻き込まれにくくなるということは確かであるし、比較的容易に実感できることでもあると思う。

その第一歩が、「気づき」である。

できる限り「気づき」を入れていくことが、より穏やかに過ごす第一歩なのだと思う。


心の性質を知る。

“心の法則”、“心の公式”とでも表現したらよいのだろうか。

これを理解していれば、不安に思うことも随分と少なくなってくるのではないだろうかと思う。


かく言う私も、全くもって完成された人間ではない。

あくまでも“より”少なくなるという表現しかできない。

しかし、不安や心配をより軽減し、より少なくできれば、それでいいではないかと私は思うのである。


不安や心配というものは、「この先がどうなるのかがわからない」という妄想から発展して来るものだ。

不安の正体が明らかになれば、不安もなくなる。

私で言えば、完全に無くすことはできない。

「“より”少なくなる」のだ。


たったそれだけのことを知るだけでも、随分と楽に生きることができるように思うのだ。



完璧は求めなくてもよいと思う。

このことを知った自分と、今までの何もしていない自分とを比較して、少しでも楽に生きている自分に出会うことができれば、それでよいのではないだろうか。

私は、そのように思う。




(『心の性質を知る~悩み事や心配事は自分で作り出している妄想~』)



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